sylph emew シゲ 「それぞれの音、十人十音」

sylph emewのベーシストのシゲさんに使用機材や音作り、プレイスタイルについてインタビューさせていただきました!


ベースについて


”メインで使用しているSadowskyについて”

Sadowsky Guitars MS5


Sadowskyは、20歳の時に購入したものです。

当時、「B’z」のサポートをされていた徳永暁人さんがSadowskyのベースを使用しており、友達と立ち寄った楽器屋に全く同じモデルが置いていたので、憧れから購入しました。

10年程使用していますが、今でも新しい発見があり、少しセッティングを変えるだけでキャラクターが変わるので、使用していて本当に面白く、一生弾き続けるベースだと思っています。


”ツマミについて”


プリアンプのツマミは0、ピックアップバランサーはセンターで、ボリュームはMAXで使用しています。


”Sadowskyへのこだわり”

同じSadowskyでも、ビンテージモデルとスタンダードモデルがあり、僕はスタンダードモデルを使用しています。


ビンテージモデルよりスタンダードモデルの方がモダンな音だと思い、スタンダードモデルを選びました。


”サブで使用しているCrewsについて”

Crews Maniac Sound JB-2005 alder custom


Crewsは、楽器店の店長にCrewsのベースを紹介していただき、弾き心地がとても良かったので、サブ機として使用するためにオーダーしました。


”ツマミについて”


プリアンプのツマミは0、ピックアップバランサーはセンターで、ボリュームはMAXで使用しています。


”Crewsへのこだわり”

側面のポジションマークが蓄光になっており、ライブ中に上から見た時に光ります。

レギュラーラインナップが好きで、なるべくCrews純正のままで使用したいと思っていましたが、ブリッジをバダス製のものに変更し、より太い音を出すため、ローズウッド指板をラウンド貼りからスラブ貼りに変更しました。


”Sadowsky・Crewsの違い”


音の傾向が全く違うので、レコーディングの時に使い分けています。


Sadowskyは、メイプル指板で「太くて広がりのある音」を出し、ライトアッシュを使用しているので音抜けも良いです。


Crewsは、ローズウッド指板で「しっかりした芯のある音」を出し、アルダーボディで60年スタイルの組み合わせです。


”ベースのプリアンプについて”


僕の中でアクティブベースのプリアンプは、「使用するもの」ではなく「通すもの」だと思っており、ツマミは0ですがプリアンプの回路を通すことにより、ノイズに強く、太い音になります。


”ピックアップバランサーについて”


ヘビーな楽曲を演奏する時は、太い音が必要になるので、ピックアップバランサーをフロント寄りにし、ミッドコントロールをしています。


”ジャズベースを選ぶ理由”


ジャズベース・プレジションベース、どちらが良いか考えた時に、ジャズベースの方が様々なシチュエーションに対応できると思い、ジャズベースを選びました。


ジャズベースはプレジションベースと違い、指弾きをする時にフロント・リアのピックアップに指を置く事ができるため、弾きやすい点でも選びました。


”使用弦について”

D’Addario EXL165TP         D’Addario XLB130


2本共、昔からD’Addarioの45-105を使用しており、5弦のみバラ売り(130)のものを別で使用しています。


通常パッケージの5弦(135)でも良いのですが、ナットの溝の太さをオーダーした段階で130で作っていただいたので、弦落ちの心配もあり、ベースのスペックにあった130のものを使用しています。


弦は、テーパータイプ・ストレートタイプの2種類を使い分けています。


D’Addarioを使用する理由は、どこの楽器店でも販売されていて入手しやすいからです。


”弦のセットアップについて”


5弦2.8mm・4弦2.4mm・3弦2.4mm・2弦2.3mm・1弦2.3mm


これが今の弦高セッティングになっています。


”弦の交換頻度について”


明らかにハイ落ちしたと感じた時です。


ベースを弾く頻度は、時によって変わるので「ハイが落ちる」「音の新鮮さ」「ハリの良さ」のどれかが落ちた場合は、どれだけ期間が短くてもすぐに交換します。


”テーパータイプ・ストレートタイプの使い分けについて”


弾き心地より、サウンドメイクで使い分けており、「シンプルに太く強い音」を求める時はストレートタイプ、「音像がタイトな音」を求める時はテーパータイプを使用しています。


エフェクター・DI・アンプについて


”接続方法について”


ベース→チューナー→DI→アンプの順番で接続しています。


僕の理想として、ベースからアンプに直接接続させたいのですが、ライブのMC中にミュートする必要があったり、パフォーマンス時にシールドが抜けてしまうトラブルが起こりうる可能性もあるので、チューナーを間に置いています。


”Pitch black Customについて”

Pitch black Custom


以前までDT-10を使用していましたが、壊れてしまい、当時のKORGの新作チューナーだったPitchblack Customを購入しました。


今までKORG以外にも様々なチューナーを使用しましたが、このモデルは液晶が大きく視認性が良いです。


レスポンスも早く、5弦への反応が段違いに良く、気に入っています。


”DIについて”


DIも僕の音作りの中で大切な要素で、RADIAL J48・AVALON DESIGN U5の2つを使い分けています。


”RADIAL J48について”

RADIAL J48


RADIAL J48は、クセがない音でPA側が扱いやすい音なので使用頻度が高いです。


”AVALON DESIGN U5について”

AVALON DESIGN U5


AVALON DESIGN U5は、レコーディングで使用することが多いです。


「ドンシャリにしたい」「ハイを出したい」「強い音を出したい」そういった場面で使用しています。


”常備のアンプの設定について”


ライブハウスに常備されているアンプはクセも無く、使いやすいものが多いので、基本的にアンプのツマミはフラットにしています。


ラインの出音がメインの音なので、僕にとってアンプの出音は、ステージのモニタリング用だと思っています。


モニタリングの音に関しても、バンドのアンサンブルに混ざり、メンバー全員のプレイの影響にならなければ、モニタリングとして問題ないと思っています。


”エフェクター・プリアンプを使用しない理由”


sylph emewで長年活動してきた中で、様々なエフェクター・プリアンプを使用した時もありましたが、リハーサルを重ねる度に「足元に必要なものは何だろう」と考えるようになり、少しずつエフェクターを省き、最終的には「無い方が良い」と思うようになりました。


sylph emewはギター・シーケンサーで様々な音色があり、その中でも、ベースには強い音が求められたので、機材が増えるよりもシールド1本で音を送る方が絶対に音が強いので徐々にシンプルなセッティングになっていきました。


他のアーティストをサポートをする時も、エフェクター・プリアンプは使用していません。


シールド・スピーカーケーブル・電源ケーブルについて


”シールドについて”


EX-pro・OYAIDE・Providenceの3種類のシールドを様々なシチュエーションで使い分けています。


ライブで使用するシールドのメーカーを全て統一しており、DIからアンプに接続するシールドも、ライブで使用するシールドと同じモデルの短いものを使用しています。


”EX-pro FL seriesについて”

EX-pro FL series


とにかくシンプルで、使用頻度が一番高いシールドです。


クセがなくベース本来の音が出るので、PA側としても扱いやすいシールドだと思います。


”OYAIDE QAC-222Gについて”

OYAIDE QAC-222G


少しハイ寄りの音で、情報量が多く、クリアでフレットノイズが発生する程、繊細なシールドです。


PA側でフレットノイズが邪魔になった時に、外音のハイをカットされてしまうと、ベースの音色の美味しいところが欠けてしまうので、基本的にはEX-proのシールドを使用しています。


”Providence B202について”

Providence B202


音が太く、レコーディングでヘビーな曲を弾く時はこのシールドを使用しています。


”スピーカーケーブルについて”

EX-pro SPX series


全てのケーブルを同じメーカーで統一するため、スピーカーケーブルもEX-proを使用しています。


”電源ケーブルについて”

EX-pro ACC series


音が暴れず安定したクリアなサウンドです。


ライブハウス常設の電源ケーブルを使用するのも良いのですが、ライブ中に音が途切れたり、電源ケーブルが断線するトラブルの起こりうる可能性を少しでも減らすために使用しています。


”ケーブルへのこだわり”


ケーブルを長期に渡って使用される方が多いと思いますが、僕にとってケーブルは、弦と同じく消耗品だと思っており、シールド・スピーカーケーブル・電源ケーブルも、使えば使うほど劣化するので、使用頻度にもよりますが基本的に1年で全て買い換えています。


音作りについて


”シゲさんの音作りとは”


様々な楽曲や、目まぐるしく変わるセクションにも臨機応変に対応できる強くて太い音作りをしています。


臨機応変に対応するために、アンプのイコライザーを使用せず、ベース本体のピックアップバランサー・ピッキングの強弱・ピッキングのポジションに、手元で変化をつけてイコライジングをしています。


強くて太い音にするために、セッティングをシンプルにし、最小限のベース・シールド・DI、1つ1つにこだわりを持って使用しています。


”プレイスタイルについて”


指弾き8割・ピック弾き2割の頻度で演奏しています。


指弾きは、音の大小・タッチ感をコントロールしやすく、多用しています。


ピック弾きは、疾走感・音の立ち上がりが良く、激しい曲で使用しています。


他のバンドでのサポートや、楽曲に合わせて「指弾き」「ピック弾き」を使い分けています。


サポートをする時は、各パートの方もプロで原曲を忠実に再現されるので、僕も忠実に細かいところまで再現するようにしています。


”理想のベースの音とは”


理想のベースの音は、バンドをしっかり支える音です。


難しいフレーズではなく、皆を支える太い柱になる音が一番だと思っているので、エフェクターを省き、しっかりとした太い芯を出すことを最優先にしています。


プレイヤーとして「支える」だけではなく、楽曲に抑揚を出すために、ハイポジションのフレーズを使用することもあります。


”音作りのこだわり”


音作りをする時に、多くの方がアンプのツマミを触りますが、僕の場合、アンプに信号がたどり着くまでに音作りが完成しているので、あくまでアンプのイコライザーは最後の微調整です。


1つ1つの機材へのこだわりも大切ですが、一番大切なものはミュージシャンの腕であり、シンプルなセッティングになればなるほど荒が出やすく、ごまかせないので「ミュージシャンは楽器を演奏しているんだ」と常に頭においています。


音楽性とルーツについて

僕が一番影響を受けたのは「B’z」です。

高校生の時から「B’z」に影響を受けており、ジャズベースを使用する理由も「B’z」の影響だと思います。


「エアロスミス」「Mr.BIG」などのハードロックにも影響を受けており、プレイスタイルの参考にしました。


フレーズが似ているとかではなく、1つの正解として誰かを参考にした方が成長できると思っており、そうやって育ってきた僕からすると、良くも悪くも、フレーズの引き出しが少なくなることもあるので、今の若い人たちは様々な音楽をコピーして欲しいと思っています!


”音楽を始めたきっかけ”


当時、X JAPANが流行っている時代で、楽器を持っている友達が多く、その中の一人に「一緒にバンドやろうぜ」と誘われましたが、当時の僕はボーカルがやりたかったんです。笑


でも、どうせバンドをやるなら楽器もやりたいと思っていたので、ベースを始めることになりましたが、当時ベースがどのようなものかわかっていなかったので、楽器店に行き「ベースってなんですか」と聞き、お店の方に「ベースとはこういうものなんだよ」と教えていただき、購入したのが僕のベーシスト人生の始まりです。笑


一番最初にコピーした曲はB’zの「もう一度キスしたかった」で、バンドスコアを購入したことを覚えています。


”B’zが好きなベーシスト~sylphemewのベーシスト、その分岐点は?”


今まで様々なバンドで活動してきた中で、ボーカル良夢・ギターKの前身バンドと、当時僕の前身バンドが京都mojoで対バンした時に彼らと出会い、仲良くなっていく中で良夢の活動のサポートをすることになり、そこからsylph emewになっていきました。


”今後について”


1バンドマンとしての活動だけではなく、まるで職人のようにベース1本で勝負するベーシストとして生涯活動していきたいです。


そのためにも、サポート活動や、楽曲のカバーだけでなく、常に新しいものにアンテナを張り、これからも腕を磨きたいと思っています。


以上インタビュー。


エフェクター・プリアンプを使用せず、ベース本体のセットアップ・ツマミ・演奏方法で音作りを行うシゲさん。

そこには、最小限のイクイップメントでセッティングを行い、ベース本来の音を最大限に引き出すためのこだわりがありました。

シゲさんのベーシストとしての今後の活躍が楽しみです!

ーProfileー

学生時代にベースと出会いベースを始め、B’zのサポートベーシスト「徳永暁人」の影響を受けている。

2010年4月にsylph emewを結成し、ベースとリーダーを担当している。

近年では様々なアーティストのサポート活動も行っている。


sylph emew


2010年4月にバンド結成。

当初はボーカル良夢のソロライブのバックバンドとして、集まったメンバーで1日限りのライブを行うだけの予定だった。

2016年4月6日にリリースされた1st EP「アンコントローラブル」の収録曲、「メンヘラサーカス」では、YouTubeの再生回数150万回を記録した。

2019年10月30日に、2020年2月2日の CLUB 3STAR IMAIKE 公演をもって解散することが発表された。


sylph emew「メンヘラサーカス」(Official Music Video)


sylph emew OFFICIAL WEBSITE

https://sylphemew.themedia.jp

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