IRabBits 加藤智之「それぞれの音、十人十音」

2019年8月7日に3rd Full Album『IRabBits』をリリースした。

ピアノロックバンド、IRabBitsのギタリストの加藤智之さんに使用機材や音作り、プレイスタイルについてインタビューをさせていただきました。

ギターについて


”メインで使用しているギターについて”

Gibson Les Paul Standard


以前は、クラプトンモデルのストラトを使用していましたが、単音リフを多用するようになった時にハムバッカーの太さが欲しいと思い、実家に住んでいる父親がレスポールを持っている事を思い出し、連絡すると二つ返事で「自由に使っていいよ」と言っていただき、それからメインギターとして使用しています。


”ピックアップについて”

古いレスポールだったので、ピックアップのロウが溶けていて、歪ませるとハウリングが起こってしまうので、Les Paul+Marshallの組み合わせで自分の好みの音を出しているギタリストに、片っ端から話を聞いてSeymour Duncanのピックアップに交換しました。

中音域が気に入っているという事もあり、SH-4を搭載しています。

ギター本体のツマミの設定は、ヴォーカルのおいしい所とぶつからない音にしつつ、ギターの主張もある音作りを目指しています。

演奏中、ボリュームツマミは、人と比べるとかなり触ってる方だと思います。

最近はトーンのツマミも意識して演奏をしています。


”ブリッジ、ペグについて”


チューニングを安定させる為にブリッジとペグも交換しています。

ロック式のペグに交換すると、より良くなると思いますが、変える勇気は出ませんでした(笑)。


”使用弦のメーカーとゲージについて”

D’Addario NICKEL WOUND

D’Addarioの10-46を使用しています。

様々な弦を試した時に、同じゲージでも種類を変えるとオクターブチューニングが微妙に違ってしまうので、普段からどこでも買えるという理由でこのモデルを使用しています。


エフェクターについて


”メインで使用しているエフェクターについて”

エフェクターは基本的に、Kemperに内蔵されているものを使用しています。

ワーミーはハーモニスト、DT部分は元音プラスオクターブ上で固定しています。

両方同時にオンにする事もあり、ワーミーとしても使用します。

MVの曲だと「未来地図」のギターソロ後半でハーモニストを使用しており、「ロンリークライマー」のイントロ、間奏では、上のオクターブを足しています。

「未来地図」は昔のDegitechのXp-100を使用して録音しましたが、レイテンシーが凄くてタイミング合わせる為の技術が必要でした(笑)。

エフェクターは基本的に歪み・EQ等の元音を崩さず、ニュアンスをしっかりと出せる物を選んで使用しています。

モジュレーション系や空間系はそれとは逆にトリッキーな飛び道具として使うのが好きです。

今後、音割れやレイテンシーが少ないことから、DegitechのWhammy DTを繋ぎ直そうかと思っています。


アンプについて

正直な話、デジタルアンプなので敬遠していましたが、最新作「IRabBits」を録ったレコーディングスタジオにKemperが置いてあって。

その時はずっと使っている「Marshall JCM2000 TSL」を持ち込んでいたんですが、エンジニアさんに「そのMarshallの音、Kemperに取り込んじゃいましょう。後で色々便利なので」って言われて。

その後、実機の音とプロファイリングした音どっちでしょう?みたいな事やられたんですけど、ほとんど違いが分からなくてKemperのイメージがガラッと良い方に変わりました。

ライブでは、エンジニアさんがプロファイルしてくれたJCM2000TSLの音を軸に9割ぐらい使ってます。


”アンプのセッティングと調整について”


チャンネル毎にかなり細かく設定していますが、全体的にトレブルは少し削りぎみです。

ライブのリハーサルの時、ライブ直前の音出しの時でも気になったらその時にいろいろ調整し直します。


”Kemperの音作りと使い分けについて”


1つのバンクに5つのチャンネルを設定出来るので①クリーン、②クランチ、③ドライブ、④もっと歪んだドライブ、⑤ソロで使い分けています。

基本的にプロファイリングしたMarshallの音色を使用していますが、

①のクリーンだけは、MATCHLESSの音色を使わせて貰ってます。

芯があるのに柔らかくて、自分のマーシャルの音とも相性良くてめちゃくちゃ好みの音でした。

使い分けは、「This Is LOVESONG」だと冒頭のアルペで①、Bメロのアルペで②、間奏で⑤、全体入ったAメロで②、Bメロで③、サビ一回り目はそのまま③、サビ二回り目の16分のオルタネイトは④みたいに踏み変えてます。


”シールド、電源ケーブルやスピーカーケーブルについて”


Kemperのスピーカーアウトからモニター用にキャビネットへ、メインアウトのXLRからミキサー卓へ送ってます。

シールドはOYAIDEとFree The Tone、電源ケーブルはOYAIDE、スピーカーケーブルはBELDENを改造したものを使用しています。

めちゃくちゃ色んな組み合わせを試した訳じゃないんですが、これらのメーカーには絶対の信頼を置いています。

実際使ってみて音痩せも少なく、変にEQ処理もされてないのでしっかりと原音に忠実でピッキングニュアンスも出せて最高です。ただの信者です(笑)。


音作りについて


”ライブハウスによって箱鳴りが違ったりしますが、その場合の調整方法などはありますか”


ライブでは、基本的にアンプのEQ等を調整してます。

中音を調整し、最前列のお客さんの耳の位置と、スピーカーから出ている高音が耳障りじゃないか特に気にしてサウンドチェックをしています。


”加藤さん自身が目指す音について”


ギタリストあるあるだと思いますが、街中で「フッ」とワンフレーズ聴こえただけで、誰の音なのか分かってもらえるような、自分らしい音というサウンドを追求していきたいです。


プレイスタイルについて


”プレイスタイルについて”


ギターを始めて間もない頃に、「コンプレッサーをかけたまま弾いていると下手になるから使わない方が良い」と言われた事を今でも守っています。

強く弾くと歪み、弱く弾くとクリーンになる気持ちいいクランチサウンドを軸に音作りしています。

コンプレッサーも理解した上でノイズを消したり、サスティンを稼ぎたい時に、ピンポイントでの運用は全然アリだと思っています。


”リードフレーズについて”


IRabBitsにはピアノがあり、どちらがリードを弾いても良いので、ギターのリードは悩みに悩んでます(笑)。

ここのセクションはピアノがリードだから、ギターはとりあえずコードを弾いておこうという考え方はしないように心がけて、ピアノアルペジオのリード上からギターの単音リードを入れたり、様々なアプローチができるように色々挑戦しています。

ストロークが一番気持ち良かった場合は、コードに落ち着く事も、もちろんあります。


音楽性やルーツについて


”自身のルーツと影響を受けた音楽、参考にしたプレイヤーはいますか?”


好きなギタリストは、スティーヴィーレイボーン、ヌーノベッテンコート、ブライアンセッツァーは特に、僕のギターヒーローです。

最近は、夜な夜なトモ藤田さんの動画を見漁っています。


ギタリストとしてのこれから


” IRabBitsのギタリストのみならず、加藤さん自身、1プレイヤーとしてを目指している事とは何でしょうか?”


自分のプレイスタイルは今後も磨き続けていきたいと思っています。

その中でも新しいことに挑戦することを忘れず、自分の手癖に飽き始めた頃に、今まで全く通ってこなかったジャズに興味を持ちはじめました。その時に、ギターを始めたてのキッズの頃みたいに早く家に帰ってギターを触りたいという感覚を久々に味えたのが自分でも嬉しかったです。

「難しい、分からないからムカつく。」、「ちょっと分かった、出来るようになったから嬉しい。めちゃくちゃ楽しい!」

楽しくないと続けられないですし、楽しいだけでも続けられない。

当たり前な事ですが、すぐに忘れてしまいそうになる感覚をたまには思い出したいと思っています。

絶妙なバランスで、その瞬間の感情と自分の生き様の全てを音に乗せられるようなギタリストになりたいと思います。


以上、インタビュー。


ただでさえ難しいと言われる「ピアノとギターの掛け合い」

その中で考えられたフレーズやサウンドは、デジタルとアナログを上手く融合することで緻密に作り上げられ、加藤さんのプレイスタイルそのものだと、今回のインタビューをしていく中で垣間見ることができました。

今後の加藤さんの活動にも注目ですが、それだけでなく加藤さんの考え方や生き様が今後の若手ギタリストの皆さんの教科書のような存在になってほしいと思っています。


-Profile-

10月24日生まれ O型 神奈川県足柄下郡湯河原町出身。

父は”湯河原のクラプトン"と呼ばれるアマチュアギタリスト。

仕事を辞め、当時活動をしていた「IRabBits」に加入し、全国ツアーや路上ライブなど、勢力的に活動を行う。

ロック、ポップスだけでなく、ジャズなど形に囚われることなく様々なジャンルに挑戦を続けている。


IRabBits

2004年、Vo.&Pf.竹下麻衣子、Ba.&Cho.猪野進一を中心に結成。横浜を活動の中心とし、毎週の路上ライブ、全国ツアーを勢力的に行い、年間150本を超えるライブを数年間に渡り行う。

全国各地で出会ったガールズボーカルバンドを一堂に集めた主催フェス【響姫祭】を立ち上げるなど、音楽のジャンルにこだわらない活動を展開。 2009年7月 渋谷O-WEST/O-Crest/O-nest3会場で【響姫祭2009東京】開催、翌年には名古屋E.L.L/ell.FITS ALL/ell.SIZEの3会場にて【響姫祭2010名古屋】を開催。

2011年7月には10-FEET主催の【京都大作戦】に出演、全国ツアーを回る傍ら多数のフェスにも出演し、そのライブパフォーマンスに定評を得る。同年、Full Album『FREASURE』発売を発売、北海道から九州・沖縄まで約60ヶ所の全国ツアーを敢行し、ファイナルシリーズでは東京・大阪・名古屋・福岡4ヶ所でのワンマンライブを行う。

2012年、8年間を共にしたDr.みづきが8周年記念8ヶ所ツーマンライブツアーのファイナル、渋谷CLUB QUATTROにて脱退。

2013年、再始動となるイベントを渋谷O-Crestで行い、SOLD OUT。ドラマーにアイラビ君を迎え、新体制にて活動再開。勢力的に全国ツアーを回る。

2015年6月、ミニアルバム『10DEARS』をリリース。その前後におよそ50ヶ所におよぶ全国ツアーを開催。

2016年2月、ドラマーに山田祐大を迎え、音楽的にも、精神的にも充実した4人体制となり再始動。

2017年

1月、現メンバーとなり初となるレコーディング作品、『アイクロニクル』をリリース。同タイトルリリースの全国ツアーを開催。

6月、I-RabBitsが育った土地、横浜の音楽シーンを活性化させるべく、『YOKOHAMA MUSIC FUTURE』というイベントを開催。


IRabBits-『This Is LOVE SONG』【OFFICIAL Music Video】


IRabBits OFFICIAL SITE

https://www.i-rabbits.net

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