PassCode Yoichi「それぞれの音、十人十音」

2019年8月16日にSUMMER SONIC 2019 TOKYOにも出演した。ラウドロック・アイドル「PassCode」のサポートギタリストのYoichiさんに使用機材や音作り、プレイスタイルについてインタビューをさせていただきました!

ギターについて

”メインで使用しているギターについて”

ESP Viper(Yoichi Order Model)

ViperはドロップCチューニング用のセッティングにしてメインで使用しています。

PassCodeの多くの曲がドロップCチューニングですが、稀にドロップC#チューニングだったりドロップDチューニングの曲があるので、ライブでは全ての曲をドロップCで弾けるようにアレンジして演奏しています。

その中でも、レギュラーチューニングじゃないと弾けない曲があり、そういう曲はVanzandtのストラトで弾いています。

”なぜESPのViperを選んだのですか?”

中学生の時、一番聴いていたのがDIR EN GREYだったんですけど、DIR EN GREYのギタリストの薫さんとDieさんが二人ともViperを使用していて「なんだ、あの歪んだSGは!?」って気になったんです。

高校生になってDIR EN GREYのコピーをしていた時に、7弦ギターじゃないと弾けない曲があり、それをきっかけに7弦モデルのViperを購入しました。

当時購入したモデルは今使っている白色ではなく赤色のViperでした。

それ以来、ずっと7弦モデルのViperを使っていたのですが、6弦モデルも欲しくなって、白色のViperというのが当時ラインナップになかったので、よく行く大阪のESPカスタムショップさんにカラーオーダーをして作って頂きました。

今は白色のモデルも販売されているのですが、僕がオーダーしたViperはネック裏がナチュラルで、ポリ塗装がしてあるんです。

もしかしたらその組み合わせっていうのは、今は無いかもしれないです。

めっちゃレアだと思いますよ(笑)。

”サブで使用しているストラトについて”

VANZANT STV Series

ストラトは、「Vanzandt」という国産のメーカーで、元々はピックアップが有名なメーカーです。

Vanzandtを購入したのは2年ぐらい前です。

当時、専門学校に通っていて、先生がVanzandtのストラトを使っていたんです。

その音がすごく良かったのが、購入するきっかけになったんですけど、その時に購入したのがVanzandtのブロンソンというモデルでした。

それから何度かライブをしてストラトも欲しいと思い、購入しました。

凄く薄いラッカー塗装で、ちょっと爪でひっかくくらいで塗装が削れてしまったり、人によっては、普通のギタースタンドに置くのも嫌がるくらいです(笑)。

僕は、削れてほしいので乱暴に扱ってますけど(笑)。

”ピックアップについて”

Viperは純正で搭載されているSeymour Duncanです。

ストラトもメーカー純正のピックアップで、Vanzandtのピックアップが搭載されています。

アクティブのEMGなども試してはみたんですけど、しっくりこなくて。

個人的にアクティブよりもパッシブの方が好きなのかもしれませんね(笑)。

”Viperのコイルタップ機能について”

元々は搭載されていなかったんですけど、過去にアルペジオやクリーン用にタップできるように改造していた時期がありました。

ただ、ライブ中にスイッチセレクトの時に手が当たってしまい、タップしてしまう事が多々あり、今はコイルタップ機能を使う機会がないという事もあって元に戻しました。

なので、今はコイルタップ機能は搭載されていません。

”Viperのヘッド部分のクッションについて”

これは、ウレタンスポンジです。

ハイゲインサウンドの時に共鳴してハウる事があるんですけど、それについて悩んでいた時にESPカスタムショップの方に相談したところ、全く同じ事をDIR EN GREYの薫さんが言っていたらしく、勧められました。

試しにつけてみると、共鳴が全く鳴らなくなり、タイトに音も止まるようになりました。

これを使っていると、ノイズゲートのかけ具合もそこまで必要なかったりするので、タイトな音作りにはオススメです!

”他にViperについてこだわっている部分はありますか?”

Viperのネックはミディアムスケールなんですけど、ドロップCチューニングで弾くのは、弦のテンション感が足りなかったり、チューニングが安定しないんです。

元々Viperは、テイルピースから弦を通す仕様なんですけど、7弦のViperは裏通し仕様で、テンション感が良かったこともあり、6弦の方も裏通しができるように改造してもらっています。

そこからテールピースと裏通し、両方試して確かに少しは感覚的に変わったんですけど、今は元通りテイルピースから弦を張るようにしています(笑)。

”ストラト本体のブリッジ裏カバーを外していますが、理由はありますか?”

鳴りが変わるという事もありますが、ブリッジのスプリング調整をすぐにできる事もあります。

”他にストラトについてこだわっている部分はありますか?”

ストラトは、ボディのバックカットが気に入っています。

裏面をえぐるようにカットされているので、体にフィットする感じが良いんですよ。

ストラトのバックカットに慣れてしまったからか、Viperが少し弾きにくく感じるくらいです(笑)。

”使用弦のメーカーとゲージについて”

D’Addario

左 NICKEL WOUND 09-42 右 NICKEL WOUND 11-52

Viper、ストラト、両方にD’Addarioを使用しています。

張りたてのブライト感が好きでライブ前には、必ず交換しています!

ゲージは、ドロップCチューニングのViperは11-52、レギュラーチューニングのストラトは09-42を使用しています。

エフェクターについて

”アンプ、エフェクターのシステムについてこだわりはありますか?”

Kemperを導入する前は、EVHの5150 Ⅲを使っていました。

その時のチャンネル切り替えをPROVIDENCEのPEC-2で行っていて、ギター→エフェクター→アンプの接続順から更に、センドリターンでエフェクターを接続するという複雑なシステムでした。

Kemperを導入してからは、Kemper自体に搭載されているエフェクトを使用するようになり、今までセンドリターンに接続していた空間系エフェクトをKemperから出力するようになりました。

今は、ギター→エフェクター→Kemperからラインアウトというシステムになっています。

おかげで、今まで必要だったセンドリターンの回線が減った事もあり、トラブルも減りました。

これだけエフェクターがあったり、回線が多いと、いざライブ中にトラブルが起きた時、どこが原因なのか分かりにくいので、Kemperを導入したのは大きいです。

”PROVIDENCEのPEC-2について”

PROVIDENCE PEC-2

PEC-2は7年前から使っています。

7年間も使っていると慣れもあり、やっぱり使いやすいです。

今は6バンク使用していて、1バンクが7チャンネルなんで全部で42チャンネルです(笑)。

バンク分けとしては、スイッチャーの3番にメインの音が来るようにしていて、2番、1番と下がるほどGAINも下がるように配置しています。

4番、5番、6番と上がっていくほどブーストされてるようにセッティングしています。

主に飛び道具系は、5番、6番に配置されることが多いです!

ギターに合わせてバンクを切り替えているので、Viperで4バンク、ストラトで2バンクっていう感じです。

ただ、PEC-2には若干ですけど、スイッチングする時にタッチノイズが出てしまう時があるんです。

最近は他にグレードの高いモデルも出ていると思うので、新しいスイッチャーの購入も検討しています。

”オートワウについて”

MAXON AF9

これはMAXONのAF9というモデルで、主にストラトでしか使用していないんですけど、これを甘掛けすると音に味が出るんです。

バッキングでは使わず、主にソロやリードトーンに使用しているんですけど、これを甘掛けするだけで音が際立つので、隠し味みたいに使ってます。

多分、バンドの音に混ざったらわからないかもしれないんですけど、実際弾いてる側からするとメチャメチャ気持ち良いんですよ(笑)。

”ケンタウロスに似たエフェクターがありますが、これはブースターですか?”

Studio Daydream KCM-OD

パッと見た感じから分かるようにケンタウロスのクローンで、Studio Daydreamさん(国産ハンドメイドメーカー)のエフェクターです!

オーバードライブになるんですけど、ドロップCチューニングのViperのメインの歪みで使っています。

ソロでブーストという使い方ではなくて、アンプの歪みに味付けという感じにして、メインの音に常にかけている状態にしています。

これ自体、歪みが強くなるというより、音に粘りが出るという感じになります。

元々、TS-9と5150 Ⅲ、オレンジのキャビネットの組み合わせを使用していたんですけど、ブースターとして他に使えるものはないかと色々試してみて、これがしっくりきたんです。

使い方は、DRIVEは0、VOLUMEは9時、TONEは12時です。

VOLUMEがかなり肝心で、このツマミでアンプへの送り量を調整しています。

”ノイズリダクションについて”

iSP Technologies DECIMATOR II

iSP TechnologiesのDECIMATOR IIがあるんですけど、今はKemper側でノイズリダクションをかけているので使ってないです。

けど、ノイズリダクション系のコンパクトエフェクターは、これが一番良いと思っています!

実際に以前のセッテイングでは、かなり使っていました。

空間系の前にこれを噛ませていらない音を消したかったので、センドリターンの一番目に接続して使用してました。

” Xotic RC-BOOSTERについて”

Xotic RC-BOOSTER

RC-BOOSTERは、、、メチャメチャ良いです(笑)。

欲しいところだけ持ち上がるんです!

これはViperのみに使用していて、その中でもクリーンとクランチのみで使用していて、Viperのフロントとハーフトーンに良い具合に合うんです!

アルペジオだったり、クリーンで鳴らす時に、音の輪郭がしっかり出て、きらびやかになります。

EQはハイよりにしています。

”ハーモナイザーについて”

BOSS PS-5

このBOSS PS-5はとても古いモデルで、使い方としては主にオクターバーとして使う事が多く、音源でオクターブでハモっているようなフレーズをライブで一本のギターで再現するのに重宝しています。

PassCodeの「AXIS」のリードはこれを使ってオクターブ上を足して弾いています。

曲によってはオクターブ下を足して弾くこともあるのでライブ中にツマミを切り替えたりしています。

”チューナーについて”

Sonic Research ST-200

Sonic ResearchのST-200というモデルなんですけど、PassCodeのメジャー1stシングルを録った時に、エンジニアさんから勧められて初めて使った時に衝撃を受けました。

これがメチャメチャ感度が良いんです!

音を鳴らしてから反応するのがとても早くて、ライブ中、1小節、2小節しかチューニングする時間がなくても、これがあればすぐにチューニングできますし、本当にこれを使うと他のチューナーが使えなくなるほどです。

以前、ラックチューナーを入れていたり、足元でピッチブラックとかも使っていたんですけど、これを導入してから全て手放しました(笑)。

感度だけじゃなく、制度もメチャメチャ良く、オクターブチューニングの調整をする時も、これを使うと完璧なんです。

何度も言いますけど、エンジニアさんがオススメするだけあって、本当に精度がすごいです。

ピッキングの強弱の追従性も良いですし、チョーキングの練習にもめっちゃ良いです!

これを使っていると耳も良くなりますよ(笑)。

接続方法としては、PEC-2のチューナーアウトから出しています。

”ジャンクションボックスについて”

FREE THE TONE JB-41S

ジャンクションボックスはFREE THE TONEのJB-41Sを使用しています。

以前から使用していますが、音痩せもなくて良いです。

”エフェクターの電源について”

VOODOO LAB PEDAL POWER2 PLUS

電源はVOODOO LABのPEDAL POWER2 PLUSです。

これを導入してから本当にノイズがなくなりました。

電源ノイズ自体、会場によって大きく変わってきますし、

足元でギターのインの信号を0にしていても、アンプから「ジー」って昔は鳴っていたんですけど、こういった心配もなくなりました。

”エフェクターを使用するにあたって、気にかけている事はありますか?”

エフェクターで音を作るというより、音作り自体をアンプメインで作っている事もあるので、アンプの音に対してプラスになる事を最重要視しています。

アンプについて

”Kemperでの音作りについて”

モデリングは、5150 Ⅲを使用しています。

5150 Ⅲの音がやっぱり好きで実際に弾いてみると、本当に良くプロファイリングていて、正直実物の5150 Ⅲの音との差が感じられない程クオリティが高いです(笑)。

しかもKemperは、5150 Ⅲの実機ではできなかった、スピーカーのモデリングを変更したり、マイクの距離を変えたり、違うマイクのモデリングを使ってみたりする事ができます。

そういったことができるようになって、僕自身の音作りの幅が増えました!

”ライブでKemperを使用する時はラインアウトでPAに送っていますか?それともキャビネットにマイキングしていますか?”

基本的にはラインアウトでPA卓に送っています。

鳴らし方も少し特殊で、KemperのラインアウトからKemperに搭載されているデジタルパワーアンプを使わず、実機の5150 Ⅲのパワーアンプを使って、キャビネットに出力するという贅沢なセッティングにしています(笑)。

キャビネットから出てる音のマイキングはしていません。

理由は、PassCodeの現場ではフロントのメンバー4人がステージ上を大きく移動するので、自分の前やドラムの前に来た時に持っているマイクが、バンドの生音を拾ってしまう事があるんです。

それをできる限り避けるために、中音は、ほとんど鳴らしていません。

ドラムの周りも、クリアソニックという消音板で囲っているので、中音はすごくスッキリしてます。

僕が使用しているのはFitEarのMH334というカスタムIEMで、耳型を採取してオーダーして作っていただきました。

FitEar MH334

”Kemperの音作りでのツマミや音の傾向について”

モデリングは5150 Ⅲと、FRIEDMANのBE100の2種類を使用しています。

そこまでEQをいじらなくても、その音がしっかりプロファイリングされているリグを選んで使用してます。

KemperのEQは、普通のアンプでEQを調整する感覚と違うので、あまり大きくいじりません。

調整時は、エフェクターのツマミやグライコなどで足し算する感じで、PAさんとやりとりをして調整しています。

曲中にリグごと変えることも多いです。

曲中に何台もアンプを入れ替え使う事ができるのが便利すぎて、これはKemperを利用する最大のメリットかと思います。

”Kemperに搭載されているエフェクトはどのようなものを使用していますか?”

空間系のエフェクトは基本的にKemperに搭載されているものを使用しています。

「RAY」のイントロやサビ前では、フランジャーを使用していたり、「Taking you out」という曲では足元のコンパクトでオクターブ下を足しつつ、Kemperでフランジャーをかけて使ってます。

よく音源を聴いていたら、これってギターの音!?みたいな音がありますけど、そういったサウンドは、ギターでエフェクト満載で弾いてたりします(笑)。

スライサーっぽく聴こえるようにトレモロを高速でかける時もあります。

正直Kemperありきで、今の音作りが成立しています。

曲を作る段階でも様々なエフェクトをかけることもできますし、ライブでも再現できるので、引き出しはかなり広がりました!

”ケーブルについて”

パッチケーブルは全てFREE THE TONEのソルダーレスを使用しています。

取り回しが良く、ボードのスペースを確保できるという事と、音も良くて、トラブルも少なく文句なしです!

”アンプに対してこだわっている事はありますか?”

こだわりというか、Kemperを使うようになってから感覚が変わって、音に合わせてアンプを選ぶということが出来るようになりました。

例えば、クリーンサウンドはこのアンプを使いたい、ハイゲインサウンドはこのアンプを使いたい、普通なら2台以上アンプを準備しないといけないですし、現実的じゃないですが、Kemperはそれを再現してくれる点でも素晴らしいアンプですね。

音作りに関して

” Yoichiさん自身が目指す音とはどのようなものですか?”

正直、音作りに関しては完成形は1つじゃないと思うんです。

例えば、機材ってどんどん新しい物が出てくるじゃないですか。

それについていかないとダメだとも思っています。

新しいものを見つけたら、チェックして、どんどん取り入れていかないと、時代遅れになってしまうので、時代やその音楽に適応した音を常に考えていきたいと思っています。

音楽性やルーツ、これからについて

” 自身のルーツと影響を受けた音楽、参考にしたプレイヤーはいますか?”

元々ギターを始めたきっかけというのがヴィジュアル系バンドなんです。

Janne Da ArcとかAcid Black Cherryが当時、中学生ぐらいの時に流行っていて、そこでバンドというものに魅力を感じてギターを始めました。

今自分が弾いているラウドなジャンルに繋がったのは、ヴィジュアル系にハマった後、海外のバンドを聴くようになり、その時にBring Me the Horizonにハマったのがきっかけです。

今でもめちゃめちゃ好きなんですけど、僕自身、ギターヒーローになりたいというより、バンドが好きで、バンドの中でもギタリストよりボーカリストの方が好きだったりもします。

UKポップス、UKインディーロックも好きで、The1975やCatfish and the Bottlemenとか、全身真っ黒の服を着て、Fenderのギターを持ってるみたいな、そういったものに影響を受けて、膝が破けている黒スキニーを履いたり、髪を伸ばしたりしていました(笑)。

最近は、K-POPにハマっています(笑)。

以上インタビュー。

Kemperや足元のシステムを使う事で、時代に適応した音を出すという事にこだわりを持つYoichiさん。

42チャンネルと多くの音を使い分ける中にも、1つ1つに繊細な音作りがあり、こだわりが詰まったシステムでした。

今後新たなYoichiさんの活躍を楽しみにしています!

ーProfileー

中学生の頃にバンドに魅力を感じギターを始め、高校卒業後にMusicians Institute Japanへ入学。

在学中から様々なバンドのサポートギターとしての活動や、PassCode、NeveSlideDownなどの楽曲のギターアレンジに携わる。

現在はPassCodeのライブサポートギター、その他アーティストの楽曲のギターレコーディングに参加している。

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